午前零時のプラモデル戦車隊【ポエムストーリー】

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夜は静かで、風もなく穏やかで。

窓を見上げれば丸い月。

闇夜の中で、時計の針も見えないけれども、私にはわかる。午前零時を指す。

「作戦開始」

どこからか声が響く。

彼らが動き出す。

ゴムのキャタピラがやわらかい音を立てて回りだす。

プラスチックの堅い音が畳の上を叩き、こすれる。

体は躍動する。彼らは生きているのだ。

プラモデルの戦車たちは隊列を組み、パレードを始める。

兵士たちが戦車に続いてプラスチックの軍靴の音を響かせて進軍する。

畳から次々と戦闘機が離陸する。

戦闘機たちは開け放った窓の外に出て、月光のなかを魚のように泳ぐ。

私は彼らの進軍を飽きもせず見続ける。

彼らの進軍は続く。どこまでもどこまでも。
 

(音楽:甘茶) 
 
 
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